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2023年に登場した「Grok(グロック)」は、イーロン・マスク率いるxAI社が開発した次世代の生成AIです。
X (Twitter)との連携が特徴で、リアルタイムな情報収集や画像生成、プログラミング支援など多彩な機能を備えています。本記事では、Grokの基本情報から使い方、他AIとの違い、画像生成の事例や注意点までを詳しく解説します。
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完全ガイドー 最も知っておきたいTwitterからXへの変更点 TwitterからXへの変更点だけでなく、認証バッジごとに使用できる機能やAPIプランについてご紹介いたします。Xを積極的に活用していきたい方は必見です。
Grokの概要と基本情報を押さえよう
Grokは、イーロン・マスク率いるxAI社が開発した生成AIチャットボットで、X(Twitter)上で利用できます。
ユーモラスな会話スタイルが特徴で、ニュースの要約や質問応答、画像生成、プログラミング支援など多彩なタスクをこなします。Grokは X (Twitter)の公開ポストにリアルタイムでアクセスできるため、常に最新の情報に基づいた回答が可能である点も大きな特徴です。
Grokの意味
「Grok(グロック)」という名称は、SF作家ロバート・A・ハインラインの小説『異星の客』に登場する火星語の造語で、「深く理解する」「完全に一体化して認識する」といった意味を持ちます。
xAIが開発したこのAIも、人間の言語や思考を深く理解する存在として設計されており、単なる検索ではなく、意味を“飲み込む”ような対話体験を提供します。
Grokは誰が開発した?xAI社とイーロン・マスクとの関係
Grokは、イーロン・マスクが設立した人工知能企業「xAI」によって開発されました。
xAIは、OpenAIやGoogle DeepMindなどのAI企業に対抗する形で2023年に発足し、X (Twitter)と連携する生成AIとしてGrokを発表。マスクは「Grokはユーモアを備えた反骨的なAI」と位置付け、X (Twitter)のリアルタイム情報を活用できる点を大きな強みとしています。
Grokの主な機能と特徴
Grokは、質問応答やブレインストーミング、画像生成、プログラミング補助など、多様な用途に対応する高度な生成AIです。
ここからは、Grokの主な機能と特徴について紹介します。
リアルタイム情報に強いチャットAI
GrokはX (Twitter)の公開ポストにアクセスでき、リアルタイムで情報収集を行える点が大きな特徴です。
これにより、時事ニュースやSNSの動向、急なトレンドにも即座に対応し、一般的なチャットAIでは得られないタイムリーな回答を提供します。速報性が求められる分野で大きな力を発揮します。
コーディング・数学・推論にも対応
Grokはプログラミング支援や数学的問題の解決、論理的推論にも対応しています。
開発初期の段階からコーディング機能を強化しており、AIが正しいコードを書ているかどうかをテストする「HumanEval」などのベンチマーク(評価指標)でも良好な成績を収めています。コード生成だけでなく、アルゴリズム設計の補助やバグの特定にも活用可能です。
長文読解や多言語翻訳にも強い
Grokは長文の理解と要約に優れており、複雑な文章の構造を把握したうえで的確な要約を生成します。
また、日本語を含む多言語対応も強化されており、翻訳や語彙の意味理解といった語学サポートにも利用できます。ビジネスや学習シーンでも活躍する汎用性の高いAIです。
画像生成・画像認識も可能
Grokは画像生成と視覚情報の理解にも対応しており、AIに対して入力する指示や質問に応じてイラストや写真風画像を出力できます。
特にGrok-1.5 Vision以降では、図やスクリーンショット、文書画像の内容を読み取る「画像認識機能」も搭載。視覚とテキストを融合したマルチモーダル(テキスト、画像、音声など、異なる種類のデータを統合的に処理する技術やシステム)な活用が可能です。
出典:「Grok-1.5 Vision プレビュー」xAI,2024.04
ファンモードとレギュラーモードは廃止!ペルソナを設定可能に
Grokにはかつて「レギュラーモード」と「ファンモード」の2種類があり、ユーザーの好みに応じて会話スタイルを切り替えることができました。
Grok3に切り替わった現在(2025年4月)は、Web版であれば幅広いペルソナから選べるような仕組みになっています。
具体的には以下のペルソナから設定可能です。画像では英語が直訳されているため、意訳すると以下です。
・心強いパートナー
・ぶっ飛んだ芸人
・忠実な友達
・頼れる学びの相棒
・医者風(健康の相談相手)
・セラピスト風(心の話し相手)

こうしたAIの人格を選べる機能は、Grokならではの強みといえます。
他のAIとの性能比較
現在主流のAIには、OpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、AnthropicのClaude、MetaのLlama 3、そしてxAIのGrokがあります。それぞれの性能や特徴は異なり、用途に応じた使い分けが重要です。以下は各モデルの代表的な性能を比較した表です。
モデル名 | パラメータ数 | コンテキストウィンドウ(最大値) |
ChatGPT (GPT-4o) | 非公開(推定1兆) | 128,000トークン |
Gemini 1.5 Pro | 非公開(推定2000億以上) | 1,000,000トークン |
Claude 3.5 Sonnet | 非公開 | 200,000トークン |
LLaMA 3 | 約4050億 | 128,000トークン |
Grok 3 | 非公開(推定2.7兆) | 1,000,000トークン |
Grokは、X (Twitter)の公開ポストと連携し、リアルタイムで最新情報を取得できる点が他モデルと大きく異なります。最大100万トークンの長文処理が可能で、政治や法務など精度と即時性が求められる分野で強みを発揮します。
ChatGPTは汎用性が高く多様な業務に対応、Claudeは安全性や対話品質、AIはオープン性で評価されています。利用目的に応じて適切なAIを選ぶことが、ビジネスや開発での成功の鍵となります。
Grok、Grok2、Grok3のバージョン比較
Grokは2023年11月に初版が登場して以降、約半年ごとに大幅なアップデートを重ねています。
Grok-1: X (Twitter)との連携によるリアルタイム応答が特徴
Grok-2:画像生成機能が搭載
Grok-3:学習リソースが10倍に拡大され精度とスピードが飛躍的に向上
項目 | Grok-1 | Grok-2 | Grok-3 |
リリース時期 | 2023年11月 | 2024年8月 | 2025年2月 |
検索方法 | 基本的な X (Twitter)データアクセス | X (Twitter)投稿を活用 | ウェブ+ X (Twitter)、詳細分析 |
対応コンテンツ | テキストのみ | 画像処理 | 画像、PDF、音声 |
料金 | X (Twitter) プレミアム | 無料 | 無料 |
特徴 | 基本会話 | 画像生成 | 高推論・自己修正 |
最新の「Grock-3」では、最大100万トークンのコンテキストウィンドウも備え、長文や複雑な文脈への対応力が他モデルと肩を並べる水準に到達しており、今後活用の幅が広がりそうです。
画像生成機能の使い方と事例
Grokはテキストから画像を生成する機能も備えており、アイデアの可視化やSNS向け素材の作成に活用できます。ユーザーがテキスト(プロンプト)で指示を出すと、それに基づいたイラストや写真風の画像が自動で生成されます。
特にGrok-2以降では、 X (Twitter)での投稿を元に画像をつくる機能も強化されており、話題性や拡散力のあるビジュアルを手軽に作成可能です。画像生成機能に絞って解説します。
画像生成はどんな仕組み?プロンプトの例も紹介
Grokの画像生成は、テキストで与えられた「プロンプト」に従い、AIが内容を理解してビジュアルを構築する仕組みです。

たとえば「夕焼けの海辺に立つ猫」「サイバーパンクな東京の夜景」といった自然な表現でも対応可能。日本語も対応しており、試行錯誤しながら調整することで、望ましい結果に近づけます。
「ジブリ風」などSNSで話題の画像はどう作る?
Grokでは、「ジブリ風の田舎に住む家族」などの感性豊かな表現もプロンプトとして使えます。

このあたりの既存のプロダクション名を用いたクリエイティブについて、まだ確固とした法規制が定まっていません。衆院内閣委員会で「『ジブリ風』など、作風の類似のみなら著作権侵害には当たらない」といった声明もありました。
ただし今後、法規制される可能性もあるため、その際には不適切なプロンプトを打ち込まないようにしましょう。

出典:X「Sam Altma」
ちなみにOpenAI社のCEOであるサム・オルトマンもプロフィール画像にジブリ風のイラストを設定しています。
商用利用は可能?著作権の注意点も
Grokで生成した画像は、基本的に商用利用が可能とされていますが、著作権や商標に関わる要素を含んだプロンプトには注意が必要です。
先述した通り、まだAI関連の法規制は未整備な状態ですが、特定のキャラクターやブランド、実在する人物・企業などに類似した出力はできる限り避けるべきです。また、利用時にはxAIや X (Twitter)の利用規約も確認し、二次利用や公開範囲について問題がないかを確認しておくと安心です。
Grokの使い方と始め方
GrokはX (Twitter)ユーザー向けに提供されており、特別なアプリのインストールは不要です。 X (Twitter)のWeb版またはモバイルアプリからもアクセスでき、ナビゲーションバーにあるGrokアイコンをタップするだけで利用が始まります。
利用前にいくつかの設定確認も必要ですが、手軽に高度なAIアシスタントを試せる環境が整っています。
Grokの起動手順:どこから使うのか
Grokを使う際には、3つの方法があります。
1つ目がGrokの公式サイトから使う方法です。
操作方法は簡単で、xAIのホームページをクリックし「GROKを試す」をクリックすると使用できます。


出典:Grok xAI
2つ目が X (Twitter)のアプリ上から使う方法です。

3つめが、 X (Twitter)の投稿の際に「@grok」とメンションしたうえでポストすることです。

モデルトレーニング(AIの学習)をオプトアウトする方法
Grokでは、X (Twitter)上の自分のやり取りがAIモデルのトレーニングやパーソナライズに使用されることを設定からオプトアウトできます。
X (Twitter)の[設定とプライバシー] > [プライバシーと安全] > [データ共有とカスタマイズ] > [Grokとサードパーティコラボレーター]の順に進み、該当項目のチェックを外せば設定完了です。

これにより、個人データがGrokやxAIによる学習・調整に使われなくなりますが、Grok自体の利用は継続可能です。より高いプライバシーを求めるユーザーにとって有効な設定です。
参考:Xヘルプセンター「Xのユーモア溢れるAIアシスタント、Grokについて」
Grokの活用シーンと利用が向いているユーザー像
GrokはX (Twitter)の情報を活用することで、リアルタイム性と事実性の高い応答が得られる点が特徴です。
ビジネス、開発、教育、創作などさまざまなシーンで役立つ万能型AIであり、特に「最新の情報を追いたい」「効率的に調べたい」「アイデアを膨らませたい」と考えるユーザーに向いています。
最新ニュースの要約や調査に
GrokはX (Twitter)の公開ポストにリアルタイムでアクセスできるため、速報性の高いニュースやトレンドに関する要約・分析が得意です。
政治、経済、テクノロジーなどの分野で「今起きていること」の概要を把握したいときに有効で、記者やマーケター、広報担当者などに特におすすめの使い方です。
プログラミングのサポートやバグ修正
Grokは複雑なコードの記述やデバッグにも対応しており、エラーの解説や改善案の提示も行えます。
PythonやJavaScriptなどの主要言語に対応し、初心者から上級者まで幅広い開発者のコーディング作業を支援します。アルゴリズムの設計相談やリファクタリングにも活用可能です。
アイデア出しやライティング支援
Grokは、ユーモアや比喩を交えた回答スタイルも選べるため、創造的なアイデア出しや文章の構成サポートに最適です。
ブログやSNS投稿、広告コピー、プレゼン資料の作成などで、発想を広げたい時に強力なパートナーとなります。ファンモードを使えば、よりラフな対話も可能です。
翻訳や語彙の意味確認にも活用できる
Grokは多言語に対応しており、日本語から英語、英語から他言語への翻訳、単語の意味確認、ニュアンスの違いなども的確にサポートします。
文章の自然さや丁寧さを評価する機能もあり、語学学習中の方や海外向けの業務に従事する人にとっても実用性が高いAIです。
利用上の注意点とリスク
Grokは多機能で便利なAIツールですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。特に個人情報の取り扱いやAIの回答精度、利用規約の確認などは重要です。誤った使い方は情報漏洩や法的リスクを招く恐れもあるため、安全で適切な利用を心がけましょう。
機密情報や個人情報は入力しない
Grokとの会話では、氏名・住所・電話番号・業務機密などの個人情報や機密情報の入力は避けるべきです。
X (Twitter)はやり取りの一部をAIモデルの学習に使うことがあるため、誤って情報が活用されるリスクがあります。セキュリティ確保のためにも、共有内容は常に注意が必要です。
AIの回答は必ず事実確認を
Grokは非常に優秀なAIですが、誤情報や誤解を招く出力を行う場合もあります(ハルシネーション)。
必ず公式情報や専門家による確認を行うことが重要です。あくまで補助的なツールとして活用し、鵜呑みにしないようにしましょう。
商用利用時のガイドラインをチェック
Grokの生成物は商用利用も可能ですが、xAIやX (Twitter)の利用規約に従う必要があります。とくに著作権や商標に関連するプロンプトを用いた画像・文章の使用には注意が必要で、再配布や販売の際は慎重な判断が求められます。事前にガイドラインを確認しましょう。
倫理的な使い方を意識しよう
Grokを含む生成AIは強力なツールである一方、差別的・暴力的・虚偽的な内容に使われるリスクもあります。誹謗中傷や不正な拡散などの不適切な利用は慎むべきです。
AIの責任ある活用を心がけ、ユーザーとしての倫理観を持って使用することが求められます。
Grokは無料で使える?料金プランの仕組み
Grokは無料プランもありますが、有料になると、より広範囲に使えるようになります。以下にプラン、金額、できることを整理しました。
プラン名 | 月額料金(税込) | 主な特徴・できること |
無料プラン | ¥0 | Grok3ベータ版利用可能チャット回数に制限あり(2時間あたり最大10回)基本的な画像生成が可能(制限あり) |
X Premium+ | ¥6,080〜¥8,190 | Grok3フルアクセス(Thinkモード・Deep Search含む)Xの投稿強化(文字数増・収益分配)広告表示半減 |
SuperGrok | 約 ¥4,500($30/月) | Grok3への優先アクセスDeep Search / Thinkモード解放画像生成の高品質化新機能への早期アクセス |
なお、認証バッジに関する詳細の記事は以下にて詳しく解説しています。
まとめ
Grokは、イーロン・マスク氏が率いるxAI社が開発した革新的な生成AIで、X (Twitter)と連携しながら、リアルタイム性・推論力・画像生成機能を兼ね備えた強力なツールです。
無料でも一部機能を試すことができますが、ThinkモードやDeep Searchなどの高度機能を活用したい場合は有料プランの検討がおすすめです。
用途や予算に応じて最適なプランを選び、日常業務からクリエイティブ制作、調査業務まで幅広くGrokを活用してみてはいかがでしょうか。