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情報の拡散力に優れ、利用者数も圧倒的に多いSNSがX (Twitter)です。
企業のマーケティングにおいて、X (Twitter)を活用している企業も多いのではないでしょうか。
X (Twitter)をマーケティングに活用する際に、ぜひ理解しておきたいのがアルゴリズムです。
アルゴリズムを理解することで、ポストのエンゲージメントを向上させるヒントを掴めるためです。
ここでは、X (Twitter)のアルゴリズムについて解説していきます。
さらに、おすすめタイムラインにポストを表示させる方法や仕組みについても、詳しく解説していきます。
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こんな方におすすめ
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欲しい情報
- X (Twitter) のアルゴリズムの仕組みや、どのようなポストがおすすめ表示されるかについて知りたい方
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本記事内容
- X (Twitter) のアルゴリズムの仕組みや、おすすめに表示されやすい投稿の特徴など
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X (Twitter)のアルゴリズムとは?
X (Twitter)のアルゴリズムとは、各ユーザーの興味が高いと思われるポストを自動的に表示させるための仕組みです。
各ユーザーの過去の閲覧履歴やエンゲージメントの履歴から、興味が高いと思われるポスト内容が判断され、自動的に表示されます。
興味や関心が高いポストを表示させることで、エンゲージメントの向上が期待できるため、このような仕組みを設けているのです。
各ユーザーの興味が高いと思われるポストを自動的に表示させるための仕組み
例えば、フランス料理が好きなユーザーであれば、関連するポストを「いいね」したり、リポストしたりすることが多いでしょう。
このとき、X (Twitter)のアルゴリズムは「フランス料理に興味が高い」と判断し、そのユーザーに対して関連するポストが表示されやすくなります。
[おすすめ]タイムラインのアルゴリズムが公開!
2023年3月にX (Twitter)社は「おすすめ」タイムラインの表示に関するアルゴリズムを公開しました。
X (Twitter)の「おすすめタイムライン」とは、自分がフォローをしていないアカウントのポストからも、興味が高いと思われるポストが「おすすめ」として表示される機能です。
パソコンでも、モバイル端末からでも、下記の図のように左側が「おすすめタイムライン」で、右側が「フォロー中」のタイムラインが表示されます。

このアルゴリズムの公開は、企業のマーケティング担当者などの間で、非常に大きな話題となりました。
今まで公開されていなかったアルゴリズムが、誰もが閲覧できる状態で公開されたためです。
参照元:Twitter社「Twitter’s Recommendation Algorithm」
このアルゴリズムを理解することで、自社のビジネスに関心が高いユーザーに、ポストを表示させるヒントを掴むことができます。そのため、X (Twitter)をマーケティングに活用している企業の担当者から、大きな注目を集めているのです。
X (Twitter)運用においてアルゴリズムの理解が求められる背景
X (Twitter)は、近年、投稿の表示順位を決定するアルゴリズムを大幅に変更しています。この影響で、従来通りの投稿手法ではリーチが伸び悩むケースが増加している状況です。
アルゴリズム変更によるリーチ率の低下傾向
Xのアルゴリズムでは、ユーザーの関心や行動履歴に基づき、表示される投稿が選別される仕組みが強化されています。
その結果、企業アカウントの投稿であっても、ユーザーとの関係性が薄く、エンゲージメントが低い場合はリーチが大きく制限されてしまいます。
特に「フォロワーにすら届かない」事態が起こり得るため、従来よりも精緻な運用戦略と継続的なデータ分析が必要不可欠となっている状態です。
[おすすめ]タイムラインに表示される仕組み
ここからは、公開された「おすすめタイムライン」にポストが表示されるアルゴリズムについて、詳しく解説していきます。
X (Twitter)社の公式サイトでは、以下の図と共にタイムラインにポストが表示される仕組みが説明されています。

引用元:Twitter社「Twitter’s Recommendation Algorithm」
表示されるポストが選ばれるまでの流れは、以下の4つのステップになります。
STEP1 1,500個の候補ポストが選ばれる
STEP2 候補ポストのランキング付け
STEP3 候補ポストのフィルタリング
STEP4 おすすめタイムラインに表示
それぞれの詳細を、解説していきます。
STEP1 1,500個の候補ポストが選ばれる
まず、おすすめタイムラインに表示されるポストが、候補として1,500件選ばれます。
具体的には、1,500件のうちの50%、つまり750件のポストは、自身がフォローしているアカウントのポストの中から自動的に選ばれます。
残りの50%の750件は、フォローしていないアカウントから選ばれる仕組みになっていますが、この仕組みはユーザーによって異なる場合があります。
候補ポストの内訳
「フォローしている」アカウントから750件のポスト
「フォローしていない」アカウントから750件のポスト
まず、「フォローしている」アカウントのポストに対しては、「Real Graph(関係性の高さ)」と呼ばれる要素により選択されます。
具体的には、あなた自身とフォローしているユーザーにおける、過去のエンゲージメントの履歴から、エンゲージメントする可能性が高い候補ポストが選ばれるのです。
一方で、「フォローしていない」アカウントのポストからは、2つの手法によって候補ポストが選択されます。
一つの手法は、「ソーシャルグラフ(Social Graph)」と呼ばれる選定基準です。
あなたと同じような興味・関心を持っているユーザーのエンゲージメント履歴などから、あなたにも関心が高いと思われる内容のポストが選ばれます。
二つ目の手法は、「埋め込みスペース(Embedding Spaces)」と呼ばれる選定基準です。
X (Twitter)独自のアルゴリズムにより、ユーザーは複数のコミュニティに分類されます。
コミュニティとは、特定の分野に関心や関心が高いユーザーの「集まり(コミュニティ)」だと捉えると良いでしょう。
X (Twitter)社の公式サイトでは、下記のイメージ図と共に解説されています。

あなたが属するコミュニティ内のポストで、エンゲージメントが高い人気のポストが候補として選定されます。
引用元:Twitter社「Twitter’s Recommendation Algorithm」
STEP2 候補ポストのランキング付け
次に、選ばれた1,500件のポストに対して、機械学習によりランキング付けが行われます。
具体的には、X (Twitter)はユーザーやポストに対して「スコア(点数)」を付け、このスコアの点数によってランキング付けが行われます。
X (Twitter)社から公開されたソースコードから、以下のことが分かっています。
ユーザーに関するスコア
・Xプレミアム(旧Twitter Blue)のユーザーは優遇される
・フォローとフォロワーの比率
・他のユーザーとのやりとりの頻度
・ブロックやミュートをされるとスコアが減少する
ポストに関するスコア
・他のユーザーとやりとりを行った回数
・リプライに返信をするとスコアが上がる
・時間の経過と共にスコアは下がっていく
このような様々な要素によって、スコア付けがされます。
これにより、質の高いユーザーの良質なポストが、ランキングの上位に来るような仕組みになっているのです。
STEP3 候補ポストのフィルタリング
ランキング付けの後に、候補ポストはフィルタリングされます。
フィルタリングとは、特定の条件に基づいて選別されたり、除外されたりすることを指しています。
具体的には、以下のような条件によってフィルタリングが行われます。
・ブロックやミュートなどの過去の履歴から、ユーザーの好みに基づいてフィルタリング
・同一アカウントのポストが、何度も表示されないようにフィルタリング
・ネガティブな反応が多いポストは、除外されやすい
・フォローしている、いないアカウントのポストが均等に表示される
STEP4 おすすめタイムラインに表示
候補にあがったポストがフィルタリングされた後、ようやく「おすすめタイムライン」に表示されます。
このとき、広告やおすすめフォロワーのポストとのバランスも考慮されて、最終的にポストが選ばれます。
ここまでが「おすすめタイムライン」にポストが表示される仕組みです。
Xが提示するユーザーに関するスコア向上の方法
X (Twitter)では、先述した通り、さまざまな要因でアカウントの信頼性を示すスコアに影響があります。
ただ「どんなアクションをすればアルゴリズムが高まるか」は、ほとんど公開されていません。
X (Twitter)公式の発表ではありませんが、アルゴリズムに寄与すると思われるアクションを紹介します。
Xプレミアム(旧Twitter Blue)に登録する
Xプレミアムへの登録には審査があります。
そのため、登録することでアカウントの信頼性が認められ、スコアが高くなる可能性があります。
アルゴリズムの観点以外でも「投稿の可視性が向上する」など、さまざまな特典が得られるため、運用戦略として有効です。
過剰なフォローをせず、フォロワーとの比率を適正に守る
フォローとフォロワーの比率が大きく偏ると、不自然なアカウントと見なされる可能性があります。
その結果がアルゴリズムに寄与している可能性もあります。
また一般ユーザーから見た際にも、ポジティブな印象を持たれにくいです。
過剰なフォロー行為は避け、フォロワーの増加を自然な形で促進しましょう。
他のユーザーと積極的にやり取りする
他のユーザーとの交流をすることで、エンゲージメントが高まります。
その結果、アカウントの信頼性が高まり、アルゴリズムに寄与する可能性があります。
リプライや引用リポスト、メンションなどを積極的に行い、活発にコミュニケーションを取りましょう。
ブロックやミュートをされないようにする
ブロックやミュートされる回数が増えると、アカウントのスコアが下がる可能性があります。
「周りに悪い印象を与えるアカウント」とみなされる可能性があるからです。
他のユーザーにとって有益な投稿を心掛け、不快感を与えないよう注意しましょう。
適切なコミュニケーションは、運用を成功させるうえで必要不可欠です。
プロフィールの完成度を高める
プロフィール情報が未記入のアカウントは、スパムや偽アカウントと誤解されやすく、アルゴリズム上も不利になる可能性があります。
アイコン画像、自己紹介文、位置情報、外部リンクなどを丁寧に設定することで、アカウントの信頼性が高まり、ユーザーからのフォロー率やエンゲージメントにも良い影響を与えます。ブランドや個人の特徴を適切に伝えるプロフィール設計は、X運用の基盤とも言えるでしょう。
X (Twitter)アルゴリズムの攻略法
公開された「おすすめタイムライン」のアルゴリズムをふまえて、どのようにX (Twitter)を運用すれば良いのでしょうか。
基本的な運用のポイントとして、以下の3点を挙げることができます。
1、積極的にX (Twitter)を利用する
2、顧客の発話量(UGC数)を増やす
3、特定のポジションを確立する
各々の詳細を、解説していきます。
1、積極的にX (Twitter)を利用する
最も意識したいのが、X (Twitter)を積極的に利用することです。
定期的にポストを行い、ユーザーやフォロワーとのコミュニケーションを意識しましょう。
また、ポスト自体も、エンゲージメントが増えるように工夫することが大切です。
エンゲージメント数が増えれば、アカウント自体の評価も高まるためです。
先ほどの「STEP2」のスコア付けでも説明したとおり、アカウント自体の評価が高まれば、おすすめタイムラインに表示されやすくなります。
そのため、企業のマーケティング施策として、キャンペーンやアンケートなどの実施は非常に効果的です。エンゲージメント数が増えやすく、アカウント自体の評価が高まるためです。
なお、弊社のX (Twitter)キャンペーンツール「Shuttlerock BBF」では、キャンペーンに参加するとすぐに抽選結果が届く、インスタントウィンキャンペーンを実施できます。参加者増加が期待できるため、認知やエンゲージメントの獲得につながります。
2、発話量(UGC数)を増やす
発話量(UGC数)を増やすための施策も、非常に有効です。
UGCとは、「User Generated Content」の略称です。
一般の消費者(ユーザー)によって、作られたコンテンツを意味します。
具体的には、写真や動画と共に発信したポストや、口コミ(返信)などが、X (Twitter)におけるUGCに該当します。企業側からユーザーに投稿を促すような投稿やキャンペーンを実施することでUGCを増やすことができます。
企業が発信する情報よりも、一般の消費者による情報発信は、他のユーザーの共感を生みやすくなります。
これにより、インプレッションやエンゲージメントの向上が期待できるのです。
3、特定のポジションを確立する
特定のポジションを確立できると、アカウント自体の評価も高まり、おすすめタイムラインに表示されやすくなります。
例えば、フランス料理を提供するレストランであれば、「フランス料理であれば、このアカウント」というように認識されることです。
先ほどの「STEP1」でも説明したとおり、ユーザーは特定のコミュニティに分類されます。
つまり、フランス料理に関心が高いコミュニティで、影響力を持ったアカウントを目指すのです。
コミュニティ内における質の高いアカウントのポストが優遇されるため、おすすめタイムラインに表示されやすくなるのです。
4、投稿の質を高める:画像・動画・投票の活用
投稿の内容はテキストだけでなく、画像・動画・投票などの機能を活用することで、ユーザーの注目度やエンゲージメントが向上します。特に画像や動画は視覚的に目を引きやすく、タイムライン上でも他の投稿との差別化が可能です。
また、投票機能を使うことでユーザーの参加を促し、自然とエンゲージメントを高められます。コンテンツの質を高めることは、アカウント全体の評価を上げる上でも非常に重要です。
5、「関連性」と「数」を意識してハッシュタグを使う
ハッシュタグの使い方もアルゴリズム攻略の重要な要素です。投稿内容と関連性の高いハッシュタグを選定することで、興味関心を持つユーザーにリーチしやすくなります。
また、数に関しても適正な範囲(1〜2個程度)に抑えることで、スパム認定を避けつつ、効果的にターゲット層へアプローチが可能と言われています。乱用や無関係なタグの多用は逆効果となるため、戦略的にタグ選定を行いましょう。
Xアカウントの運用成功事例
ここからは実際にXあアカウントの運用に成功している企業アカウントを3つ紹介します。
株式会社ブルボン
大手菓子メーカーであるブルボンは、ユーザーとの積極的なコミュニケーションが特徴のアカウントです。
「〇〇と思った方はいいね」や「リプライで教えて」などの質問やクイズ形式で、ブランドイメージにあったカラフルでポップな画像とともに、カジュアルな口調でユーザーに取ってほしいアクションを促しています。
これらの手法により、毎投稿100件以上はエンゲージメントを獲得しています。
Xのアルゴリズムでも重要なエンゲージメントを、ユーザーが不快にならない形で自然に誘導している事例です。
カゴメ株式会社
食品・飲料・調味料の大手総合メーカーであるカゴメ株式会社は、ユーザーとの関係構築や情報拡散を狙い、キャンペーンを定期的に実施しています。
ユーザーが企業アカウントをフォローする理由の一つに、「お得な情報を取得したいから」が挙げられます。
そのため、ユーザーに喜ばれる施策を定期的に実施しているアカウントは、フォロワーの増加や情報拡散が大幅に見込めます。
もちろん、キャンペーンばかり行っていては本来獲得したいターゲット層とずれが生じる可能性があるため、普段からの定期的な投稿も重要です。
カゴメ株式会社はキャンペーンだけでなく、普段から動画や画像を多く用いてユーザーに興味を持ってもらいやすい、投げかけや質問などの投稿を積極的に行っている好事例と言えるでしょう。
カルビー株式会社
スナック菓子メーカーであるカルビー株式会社は、一般ユーザーの投稿を引用リポストすることでユーザーとのコミュニケーションを積極的に行っています。
キャンペーンや通常の投稿など、自社発信でできる施策は定期的に実施しつつも、ユーザーの自社商品に対する好意的な投稿を引用リポストしています。
これにより、投稿をしたユーザーからは企業アカウントの投稿に採用された、という承認欲求が満たされ、引用リポストをみた他のユーザーは一般ユーザーの口コミを閲覧することになるため、商品やサービスの信頼感の獲得につながります。
いわゆるUGCを活用した施策をうまくX (Twitter)運用に取り入れている事例と言えるでしょう。
今後のX (Twitter)アルゴリズムの予測
イーロン・マスク氏は、2025年1月にX (Twitter)のアルゴリズムにおいて「後悔のないユーザー時間」を最大化する方向に調整を進めると表明しています。
これは、単に滞在時間が長いだけでなく、ユーザーが「見てよかった」と感じる情報的・価値あるコンテンツを優先的に表示するという意味です。
今後はニュース性や有益性の高い投稿が評価され、エンタメ性だけに依存した投稿は拡散力が落ちる可能性があります。
最新の仕様変更はX (Twitter)の公式開発アカウント(@XEng)で公開されるため、定期的な確認が重要です。
まとめ
ここでは、X (Twitter)のアルゴリズムについて解説してきました。
特に、「おすすめタイムライン」に表示される仕組みは、しっかりと理解しましょう。理解したうえで運用することで、マーケティングの効果を最大限に高められるためです。
ここで解説したアルゴリズムへの具体的な攻略法を参考にして、ぜひ自社のX (Twitter)マーケティングに役立ててください。